AWS基礎(3) ~開発環境のセットアップ~

AWSを使用して開発を進めるためには、まず開発環境のセットアップが必要です。

この章では、AWSアカウントの作成からAWS Management Consoleの使い方、さらにAWS CLIのインストールと設定について詳しく解説します。

AWSアカウントの作成

 AWSを利用するためには、まずAWSアカウントを作成する必要があります。以下の手順でアカウントの作成と初期設定を行います。

 • アカウント作成手順:

  1. AWS公式サイトにアクセスし、「AWSアカウントを作成」ボタンをクリックします。

  2. 必要な情報を入力します(メールアドレス、アカウント名、パスワードなど)。

  3. 支払い情報を入力します。AWSは基本的に使用した分だけ課金されるモデルですが、無料利用枠も提供しています。

  4. 電話番号を登録し、SMSによる確認コードを入力します。

  5. アカウントの種類を選択します(個人またはビジネス)。

  6. サービス利用規約に同意し、登録を完了します。

 • 初期設定:

  • MFA(多要素認証)の設定:

   • アカウントのセキュリティを強化するために、MFAを有効にします。Google Authenticatorなどのアプリを使用して、追加の認証ステップを設定します。

  • IAMユーザーの作成:

   • セキュリティ向上のため、ルートユーザーではなく、IAMユーザーを作成して日常的な操作を行います。

   • IAM管理画面から「ユーザーを追加」を選択し、アクセス権限を設定します。

  • 請求アラートの設定:

   • 予期しない課金を避けるために、請求アラートを設定します。CloudWatchを使用してアラートを設定し、特定の金額に達した場合に通知を受け取ります。

AWS Management Consoleの使い方

AWS Management Consoleは、AWSのサービスを視覚的に管理するためのWebベースのインターフェースです。以下では、コンソールの基本的な使い方とナビゲーションについて解説します。

 • コンソールへのログイン:

  • AWS Management Consoleにアクセスし、先ほど作成したアカウントでログインします。

 • ナビゲーションの基本:

  • サービスへのアクセス:

   • コンソール画面の上部にある「サービス」メニューから、使用したいサービスを選択できます。

  • ダッシュボードのカスタマイズ:

   • ホーム画面で頻繁に使用するサービスをお気に入りに追加し、ダッシュボードをカスタマイズします。

  • リージョンの選択:

   • 画面右上にあるリージョン選択メニューから、デプロイするリージョンを選択します。地理的に近いリージョンを選ぶと、レイテンシーが低くなります。

  • 重要なコンソール機能:

   • CloudShell:

    • コンソールから直接コマンドラインを実行できるCloudShellを利用して、簡単なスクリプトやAWS CLIコマンドを試せます。

   • リソースの検索:

    • コンソール上部の検索バーを使って、リソースやサービスを迅速に検索できます。

   • ドキュメントの参照:

    • 各サービスのページにある「ドキュメント」リンクから、サービスに関する詳細なドキュメントを参照できます。

AWS CLIのインストールと設定

AWS CLI(Command Line Interface)は、コマンドラインからAWSサービスを管理するためのツールです。以下の手順でインストールと初期設定を行います。

AWS CLIのインストール:

 • Windows:

  1. AWS CLIのダウンロードページにアクセスし、Windows用のインストーラーをダウンロードします。

  2. インストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールします。

 • macOS:

  1. ターミナルを開き、Homebrewを使ってCLIをインストールします。

  brew install awscli

 • Linux:

  1. ターミナルを開き、次のコマンドを実行してインストールします。

  sudo apt-get update 
  sudo apt-get install awscli

 • CLIの初期設定:

  1. ターミナルで次のコマンドを実行し、CLIを設定します。

  aws configure

  2. プロンプトに従って、AWSアクセスキーID、シークレットアクセスキー、デフォルトリージョン、出力形式を入力します。

 • 動作確認:

  • CLIが正しく動作していることを確認するために、以下のコマンドを実行します。

  aws s3 ls

  • 上記のコマンドでS3バケットの一覧が表示されれば、CLIの設定は完了です。


AWSの開発環境を整えることで、効率的なクラウド開発が可能になります。

これらの手順を丁寧に進めることで、AWSのサービスをスムーズに活用できるようになります。

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